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第8回放射線生物学者のための疫学研修会 分野を超えた交流

講演をする坂田 律 疫学部副部長

研修会の参加者

放影研の疫学研究について説明する小笹晃太郎 疫学部長(写真奥)

疫学部副部長 坂田 律

2017年8月28日、29日の両日、放射線影響研究機関協議会注) 主催の「第8回放射線生物学者のための疫学研修会」が放影研広島研究所講堂で開催され、所外から32名の参加がありました。

午前8時半からの中村典 分子生物科学部顧問による講演「専門でない人のための放射線生物学(I)」の後、丹羽太貫 理事長のあいさつで開会しました。

午前中は「専門でない人のための疫学」(坂田)、「原爆被爆者寿命調査の最近の結果」(小笹晃太郎 疫学部長)、「放射線被ばくと心血管疾患の疫学」(児玉和紀 主席研究員)の三題で放影研の疫学研究について説明しました。昼食時間を利用した自己紹介では、参加者のみなさまから参加目的をお話しいただきました。

午後は「放射線被曝と甲状腺がん」(今泉美彩 長崎臨床研究部副部長)、「胎児の被ばく影響:現在の課題」(濱﨑幹也 分子生物科学部研究員)、「放射線の遺伝的影響:マウスとヒト」、「マウス実験と疫学研究の相互理解・序説」(中村顧問)、「自然発がんの組織間の差」(三角宗近 統計部研究員)、「生物学的知見を取り入れた放射線疫学データのモデリング」(古川恭治 統計部副主任研究員)の講演を行いました。

初日の日程を終え、市内のビアガーデンへ会場を移した懇親会では、ロバート L. ウーリック(Robert L. Ullrich)副理事長があいさつをし、閉店の午後10時近くまで親睦を深めました。

2日目は「専門でない人のための放射線生物学(Ⅱ)」(中村顧問)の後、量子科学技術研究開発機構の今岡達彦チームリーダーに「量研における放射線発がん 動物実験の進展」という題で、様々な部位のがんの動物実験結果を疫学研究結果と比較しながらお話しいただきました。「動物実験結果の見方で何が変わるか」(中村顧問)、「今回の疫学セミナーを聞いて感じたこと」(丹羽理事長)で総括をし、総合討論の後、小笹疫学部長の閉会の言葉で終了となりました。放射線に関する様々な分野の方々の交流の機会となったと思います。

参加いただいた方々、講義を担当してくださった方々、運営をお手伝いくださった事務局総務課、疫学部の方々に感謝いたします。ありがとうございました。

注) 放射線影響研究機関の相互理解と連携を深めることを目的に、環境科学技術研究所、京都大学、長崎大学、弘前大学、広島大学、福島県立医科大学、放影研、量子科学技術研究開発機構(50音順)により構成された機関。