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放影研保存試料の利用に関する外部諮問委員会 第1回会合を開催 (2018年5月11日(金)/広島大学医学部「広仁会館」)

丹羽太貫理事長のことばで会合が開始された

放影研が原爆被爆者の方々から提供していただいた保存試料(血液や尿など)を利用した最先端の研究をこれから進めていこうとしているにあたり、被爆者や学識経験者、さらには市民の皆様に、研究のあり方に関して様々なご意見を伺うことを目的とした諮問委員会が過日開催されました。広島・長崎において原爆被爆者の方々の健康影響に関する研究を行う我々にとって、研究のあり方について一般市民も含め被爆の問題に関わりを持つ方々の視点でも見ていただくことが通常の医学系研究以上に必要である、と考えております。

会合では、放影研側から、研究所に被爆者の方々から提供していただいた試料、つまり血液や尿といったものが保存されていますが、それがどういった研究に利用できるかなどについて説明をしました。また、医学系の研究は、技術が急速な勢いで進歩しており、最先端技術の全てを放影研が自前で有するわけにはいかず、科学的貢献を最大限にするためには、国内外の研究機関との共同研究が必須になっている状況を説明しました。委員には様々なお立場の方がおられ、それぞれの立場で発言いただきました。中には、ABCC時代に対する厳しい声などもありましたが、放影研が有している保存試料については、有効に利用してほしいというご意見をいただきました。

放影研としては「研究の成果をいかに被爆者の方々に還元するか」が、一番大きい課題だと認識しています。 最近、研究参加者と研究所が一緒になって研究を進めるという動きが世界的におこっています。我々も、できれば被爆者の方々と一緒に研究を進めるというところにまでなれたらと願っています。被爆者の方々のご協力のもと、がんをはじめとする疾患全般のメカニズムの解明に貢献し、それが被爆者や市民の皆様の誇りになる。そのような研究所になることを目指したいと強く思っています。