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被爆二世ゲノム配列解析に関する外部諮問委員会 第1回会合を開催

このたび、放射線影響研究所(放影研)は、被爆した両親と被爆二世をひと組とするゲノム配列解析の方針策定に向け、外部の方々から意見をいただく目的で、「被爆二世ゲノム配列解析に関する外部諮問委員会」を新たに設置いたしました。当委員会は広島と長崎の学識経験者、法曹関係者、被爆者、被爆二世など14名で構成されています。第1回会合は2021年8月21日と25日の2回に分けて開催されました。

今回の第1回会合では、放影研からこの「委員会の目的」や昨年までの「保存試料の利用に関する外部諮問委員会(2018年~2020年)」および「被爆二世調査研究のこれまでとこれから」について説明を行いました。それに対して委員からは、個人情報の取扱いに関する体制整備、究極の個人情報であるゲノムデータを扱う上での問題点などについての発言がありました。併せて、長年の課題である被爆の遺伝的影響の有無が明らかになる可能性について期待する声がある一方、不安やあらためて差別を生むことにつながるなど、社会的影響についての懸念も示されました。

最後に丹羽理事長が、「科学的にどのようであっても、被爆者の方々の子や孫に健康障害があると、それが親の被爆の影響と考えるのは当然である。我々にできることは、努力を重ね、正式な手順を踏んで正確な研究成果を出すことで、その一環としてこの委員会を設置した。委員各位の忌憚のないご意見がこの研究を行う上で必須である」と結びました。

この会合は、今後4-5回を目途に開催し、最終的に委員会から放影研へ助言をいただく予定です。

また、会合終了後の記者会見では、マスコミ各社(広島11社、長崎8社)から取材を受けました。