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放射線影響研究所 設立50周年記念式典を開催しました

放射線影響研究所(放影研)は、1975年に前身である原爆傷害調査委員会(ABCC)を改組して設立され、本年で50周年を迎えました。これを記念し、2025年6月17日に広島、6月20日に長崎にて、50周年記念式典を開催いたしました。

両会場には、日頃より研究にご協力いただいている研究協力者の皆様やそのご家族をはじめ、ご来賓の皆様、事前にお申し込みいただいた一般市民の皆様にもご参加いただき、無事に式典を執り行うことができました。

広島は広島県医師会館ホールにて開催し、当日は約330名の皆様にご来場いただきました。記念講演では、日本原水爆被害者団体協議会代表委員であり、広島県原爆被害者団体協議会理事長の箕牧智之様にご登壇いただき、昨年のノーベル平和賞受賞を含め、長年にわたる平和活動についてお話しいただきました。また、米国コロラド公衆衛生大学院の教授で前大学院長のジョナサン・サメット氏からは、放影研の研究の歴史とその成果が紹介され、その成果が被爆者の健康や福祉と人類の放射線防護に大きく貢献しており、新しい解析技術を用いた今後の研究の更なる発展への期待が述べられました。最後に、この様な重要な研究への被爆者の貢献の大きさについても触れられました。

長崎は出島メッセ長崎で開催し、約150名の皆様にご参加いただきました。記念講演として、長崎大学名誉教授で長崎県被爆者手帳友の会会長の朝長万左男氏にご登壇いただき、原爆放射線の健康影響、特に長年研究されてきた白血病や骨髄異形成症候群の研究の歴史とその成果についてご講演していただきました。また、ご苦労された被爆者の生活についても触れられました。サメット氏には広島に引き続き、長崎でもご講演いただきました。

ご登壇いただきました皆様をはじめ、式典にご出席いただいた皆様、そしてお祝いのメッセージや祝電をお寄せくださった皆様に、この場をお借りして心より御礼申し上げます。

放影研がこの50年間、調査・研究を継続できたのは、被爆者・被爆二世の皆様をはじめ市民の皆様、そして、関係機関の皆様のご理解とご協力の賜物であり、あらためて深く感謝申し上げます。今後も、平和的目的のもとに、放射線が人に及ぼす医学的影響およびこれによる疾病を調査研究し、原子爆弾の被爆者の健康保持および福祉に貢献するとともに、人類の保健の向上に寄与すべく、取り組んでまいります。

広島会場(6月17日)


広島会場の様子

ジョナサン・サメット氏による講演

箕牧智之様の講演

多方面より祝電をいただきました

放影研OBの再会

長崎会場(6月20日)


長崎会場の様子

神谷理事長による開会のあいさつ

ジョナサン・サメット氏による講演

朝長 万左男氏による講演

会場での展示物の様子