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島田幹男研究員が「2025年日本アイソトープ協会奨励賞」を受賞しました
このたび、当研究所の分子生物科学部分子病理学研究室室長の島田幹男研究員が、「2025年日本アイソトープ協会奨励賞」を受賞しました。
対象となった研究は、「放射線依存的な細胞内小器官中心体異常とゲノム不安定症発症機構の解明」です。
島田研究員は、放射線が生き物にどのような影響を与えるかについて、「中心体」という細胞の中にある小さな器官に注目して研究を進めてきました。その結果、放射線の影響によって中心体が必要以上に増えると、細胞が死んでしまう原因になることを発見しました。
この発見は放射線によるがん治療効果の促進や放射線から体を守る方法の開発といった産業・医療応用にもつながる可能性があり、今後の研究の進展が期待されています。
また研究活動だけでなく、環境放射線の影響について一般の方々に正しく伝える活動にも力を入れており、そうした社会的な取り組みも今回の受賞では高く評価されました。
当研究所は、平和的目的のもと、被爆者の健康保持と福祉に貢献するとともに、人類の健康の向上を目指して調査研究をおこなっております。
島田研究員の活動は、こうした当研究所の研究を推進するだけでなく、放射線の影響に関する一般の理解を促進するうえでも、大きく貢献するものと確信しております。
【日本アイソトープ協会奨励賞】
この賞は、日本アイソトープ協会が、放射性同位体や放射線に関する基礎的・応用的な研究において独自のアイデアで優れた成果を上げ、今後の利用の広がりや発展、社会への貢献が期待される若手・中堅の研究者を表彰するものです。

2025年7月3日、東京都で開催された授賞式にて。右:島田研究員
写真提供:日本アイソトープ協会奨励賞運営委員事務局

授賞式において挨拶をする島田研究員
写真提供:日本アイソトープ協会奨励賞運営委員事務局