特定の疾病による死亡率、線量および被爆時年齢別

この記事は RERF Update 3(2):10, 1991に掲載されたものの翻訳です。


本号のRERF Updateでは 3つの記事が放影研寿命調査(LSS)におけるがん以外の疾患による死亡率に関する最近の調査を取り上げている。下の 図 は、1950年から1989年までのLSSにおける特定の疾病による平均死亡率を要約したものである。
原爆時に広島または長崎のいずれかにいた 86,572人のLSS対象者に基づいて死亡率を算出した。被爆時年齢40歳未満の集団は 58,586人の対象者を含み、その平均追跡期間は 35年である。被爆時年齢 40歳以上の集団には、平均追跡期間が 20年の 27,982人が含まれている。この解析の対象であるLSS集団の 41%(被爆時年齢 40歳未満の集団の 18%と、同40歳以上の集団の 89%)、すなわち 35,289人が 1950年から 1989年までに死亡した。 

それぞれの疾病区分について、<0.01Gy、0.01-1.99Gy および ≧2.00Gy の3つのDS86カーマ区分における粗死亡率を示した。最後の線量区分は、人年合計(被爆時40歳未満では 約28,000人年、40歳以上では 約5,900人年)の 1%強を占めるにすぎない。それ以下の線量区分については、人年の合計はほぼ等しい。

疾病区分の「その他」には、脳卒中、心臓疾患、消化器系疾患および呼吸器系疾患を除いた、がん以外のすべての疾患が含まれる。白血病による死亡率は除外した。

この図を見るときには、2つの被爆時年齢群に用いられた目盛りの大きさの違いに注意することが重要である。

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