放射線の基礎知識

  • 放射線とは?

    「運動エネルギーを持って 空間を飛び回っている 小さな粒(素粒子)」 と言えます。

    ひとつは「光」の性質を持ったもので、身近にある放射線の大半は「光」の性質を持ったものです。X線、ガンマ線(医療に用いられる)
    他方は「粒子」の性質を持ったものです。(小さくて顕微鏡でも見えません)
    アルファ線、ベータ線(放射性物質から)、重粒子線(がん治療)

    X線、ガンマ線は波長の短い電磁波(光と同じ性質)です

    ここに示したいろいろな波はすべて電磁波と呼ばれ、「光」の兄弟です。

    電磁波(放射線)=空間を伝わっていくエネルギーの流れである  (近藤宗平)

    放射線の波長が紫外線よりももっと短くなる(エネルギーが高くなる)と、身体を通り抜けるようになります(X線、ガンマ線)。
    衣服を着ていても関係ありません。
    アルファ線、ベータ線、ガンマ線は、原子核から出る放射線ですが、X線は高速の電子を金属にぶつけた時に出てきます。
    中性子線は、原爆放射線の一部で粒子線です。

    放射能は、放射線とは違うの?

    放射能と放射線とは違います。
    放射能とは、不安定な原子核が放射線を出しながら別の原子核に変わっていく(こわれていく)性質のこと

    60Co原子核崩壊の模式図

    つまり、原子核の崩壊

    だから、放射能の強さは、1秒間あたり何個原子核がこわれるかで表すことにしています。
    放射能の強さと放射線の強さは同じではありません。

    1秒間あたり1個崩壊=1ベクレル

    自然にも放射線はあります!

    地球で生活する以上、必ず少しの放射線を受け続けています。もし高地で生活すると、宇宙線からの被ばくが増えます。(富士山頂では平地の5倍)外国旅行でジェット機に乗ると、日本とニューヨーク往復で0.1ミリシーベルトくらいの被ばくがあります。大気には宇宙線をさえぎる作用があるのです。

     

    体の中で最も多い放射性元素:カリウム40
    体内のカリウムは130グラムあり、その0.012%は放射性カリウム。
    つまり私たちの体内では毎秒4,000個のカリウム原子核が崩壊して常にベータ線を出していることになります。
    地熱もほとんどカリウム40のせい(半減期12億年)らしいです。(一部はウラン)

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