• 市民公開講座

広島で第2回市民公開講座を開催しました。

第2回市民公開講座で講演する中村 典主席研究員

放影研は、12月10日(土)午後2時から4時30分まで広島平和記念資料館東館地下メモリアルホールにおいて、「第2回市民公開講座」を開催した。3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故で放射線の健康影響に対する関心が高まる中、被爆者をはじめ一般市民の皆さんに、放影研の長年にわたる研究の成果と放射線の健康影響を分かりやすく説明し、市民の皆さんと放影研との交流の場にしようと昨年に続いて企画されたもので、約200人の市民が参加した。

開会に当たっては、大久保利晃理事長のあいさつに続いて、来賓の坪井 直広島県原爆被害者団体協議会理事長にごあいさつをいただいた。続いて二つの講演が行われ、最初に中村 典主席研究員が「低線量被曝のリスクをどう考えるか」と題し、原爆被爆者の疫学調査結果に基づいて、低線量放射線の被曝リスクと福島の場合のような慢性被曝のがん発症リスクについて説明した。次に、野田朝男遺伝学部副部長が「線量評価の方法」と題して、放射線の基礎知識や線量測定方法について解説した。

また、講座に続いて、広島赤十字・原爆病院院長で、放射線被曝者医療国際協力推進協議会(HICARE)会長でもある土肥博雄先生から特別発言をいただき、講演の総評などを述べていただいた。その後の質疑応答は、各講演後に集めた質問票に基づいて行われたが、すべてにお答えできないほど多くの質問が寄せられ、公開講座終了後も何人かの方が会場に残って熱心に質問される姿が見られた。