• 市民公開講座

長崎で第3回市民公開講座を開催

長崎で行われた第3回市民公開講座

放影研は、6月29日(土)午後1時30分から4時まで長崎での「第3回市民公開講座」を長崎原爆資料館ホールにて開催した。この市民公開講座は被爆者をはじめ一般市民の皆様に、原爆放射線の健康影響に関する放影研の長年にわたる研究の成果を分かりやすく説明し、市民と放影研との交流の場にしようと企画されたものである。会場には120人以上の市民が集まった。

公開講座では二つの講演が行われ、最初に楠 洋一郎放射線生物学/分子疫学部長が「放射線被ばくで体に生じる変化—がん化と免疫の変化」と題して、放射線被ばくによってどのようなメカニズムで疾患が発生するのか、またそのメカニズムの解明により疾患リスクが正確に推定でき、疾患の効果的予防や治療につながると解説した。次に、飛田あゆみ臨床研究部(長崎)副部長が「長期の被爆者健康診断調査から分かったこと」と題して、長期にわたり行ってきた成人健康調査の成果を分かりやすく解説し、この成果は原爆被爆者のご協力のお陰とお礼を述べ、また今後の調査へのご協力をお願いした。

開会に当たっては、大久保利晃理事長のあいさつに続いて、長崎原爆被災者協議会会長の谷口稜曄様に被爆時の思い出を語っていただき、今後の放影研の協力に期待しているとのごあいさつをいただいた。また、講演終了後の特別発言では、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科長の小路武彦先生から、楠部長と飛田副部長の講演の評価と、今後、放影研が果たす役割についてお話しいただいた。質疑では、被ばくによる健康被害やご自身の健康不安に関する質問など、数多くの熱心な質問が会場から寄せられた。