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第24回広島地元連絡協議会を開催

第24回広島地元連絡協議会(地連協)が、2020年12月3日に開催されました。地連協は、放影研の運営に地元の要望を反映させるために、地元の大学、医療機関、被爆者団体、学識経験者、地方公共団体等の皆様にお集まりいただく協議会です。2018年12月以来、2年ぶりに開催されたこの度の協議会は、新型コロナウイルス感染症が収束しない中、TV会議システムを使用して、初めてリモート会議で開催しました。

協議会は14名の委員の出席のもと、以下の4つの議事にそって進行されました。

① 概況報告
② 放影研保存試料の利用に関する外部諮問委員会
③ 将来構想・放影研戦略計画
④ その他報告事項

「①概況報告」では、前回の広島地元連絡協議会以降に開催された評議員会(放影研の最高意思決定機関)、科学諮問委員会(放影研の研究計画を科学的に評価・認定し、研究計画の継続または変更について理事会および評議員会に勧告を行う、日米の専門家からなる諮問機関)や新型コロナウイルス感染症拡大の放影研に対する影響と対策、そして、研究に関する特筆すべき事柄を報告しました。

続いて、「② 放影研保存試料の利用に関する外部諮問委員会」では、放影研が保存する生体試料(健診参加者にご提供いただいた血液や尿などのバイオサンプル)の公正な利用方針について、放影研と利害関係がない第三者から客観的な意見聴取を目的とするこの委員会の設立が必要となった背景、並びに同委員会の概要や経過を報告しました。そして、同委員会からいただいた7つの助言について地連協の委員に説明しました。

「放影研保存試料の利用に関する外部諮問委員会」から助言を受領

「③ 将来構想・放影研戦略計画」では、ABCC時代から継続している疫学や 臨床研究に加え、保存試料を利用した分子レベルの機構の解明(例:がん発症における放射線の関与のメカニズムの解明)に力を入れていくことになる状況を説明しました。そのような変化は、集団のリスク(危険性)のみならず個人のリスクも予測が可能になります。さらに被爆者の方々の健康リスクを明らかにする研究では、科学が人道に基づくものでなければならない点も強調されました。ただこのような研究を進めるには、先端技術・資金・共同研究の全てが必須であることも述べられました。

最後にこういった状況下で、放影研広島研究所の移転候補地として、広島市の総合健康センターに加え、今回、広島大学霞キャンパスも新たに候補地に挙がったこととその経緯を報告しました。

委員からは、今回、広島大学霞キャンパスへの移転案が浮上した経緯を再確認する質問があったため、あらためて、それに関して説明しました。また、別の委員からは、被爆者へのいっそうの還元を実現し、市民から受け入れられる存在になってほしいという要望をいただきました。そして、最後に、今後、共同研究を行うにあたってのパートナー(共同研究に協力・連携いただける組織や研究機関)に関する質問に対して、共同研究の現状を説明しました。

協議会開催後、TV会議システムを使用した記者会見を行いました。会見には、10社12名の記者の皆様にご参加いただきました。