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Dale Preston博士がNathan Mantel賞を受賞

生涯にわたり統計科学の発展と応用に貢献したとして、米国統計学会の疫学における統計部会(SIE)は2023年Nathan Mantel賞にDale Preston博士を選出したと発表しました。

Preston博士は1981年から2004年までの期間、放影研の研究員として広島・長崎の原爆被爆者の放射線による健康影響の調査にあたりました。その間、リスク回帰モデル(被ばくの健康被害にまつわる数字を導き出すための計算式)の構築やそれを実施するためのEpicureソフトウェア(統計学の複雑な計算を効率よく行うプログラム)を研究開発。この成果は現在、放射線疫学だけでなく、そのほかの様々な研究分野においても活用されています。

Nathan Mantel賞は、故Nathan Mantel氏(1919-2002)の疫学における統計研究への功績を称えて設けられたもので、カナダのオンタリオ州トロントで8月に開催される合同統計会議(JSM)において、SIE部会よりPreston博士へ授与される予定です。

Dale Preston博士
アメリカ出身。ハンボルト州立大学(カリフォルニア州)で数理学の学士課程、カリフォルニア大学ロサンゼルス校で生物統計学の博士課程を修めたのち、3年間の研究室所属を経て1981年に放射線影響研究所広島研究所へ。23年間の長きにわたって生物統計学者として研究に携わった。筆頭著者として約200本もの論文を執筆するなど、放射線研究に多大な貢献をしたとして、2017年にはFailla賞を受賞。

過去の受賞歴等についてはこちらからご確認ください。
Preston博士に2017年Failla賞