解説・総説シリーズ(CR) 1-08

電離放射線によるリスク

Cullings HM, Cologne JB
Melnick EL, Everitt BS, eds. Encyclopedia of Quantitative Risk Analysis and Assessment. Chichester: John Wiley & Sons, Ltd.; 2008 (July), pp 1540-6

要 約
すべての環境危険因子の中で最も研究されていると思われる電離放射線は、定量的リスク評価における多くの重要な側面を例証している。我々は電離放射線の性質、ヒトが被曝する主要な放射線源、および被曝の結果生じる健康影響の主要なカテゴリーについて、がんの罹患率増加など確率的な後影響に焦点を当てて検討する。線量反応の形状および大きさ、時間変数および被曝した個人に特有なその他の因子に対する線量反応の重要な依存(影響修飾)などの課題について、我々は基本的な被曝の数的指標である放射線量の役割について説明する。調査コホート内の個人の線量における不安定性に対処するための方法など、放射線リスク推定の基本的な方法について説明した後、結果として得られたリスク推定値を放射線防護に適用する上での幾つかの重要な原則について検討する。最後に、放射線疫学調査の主要な結果の一部について概説する。

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