放影研報告書(RR) 24-93

ヒト染色体8番(p12→q22)による重症複合免疫不全(SCID)マウス放射線感受性の相補

伊藤正博,濱谷清裕,小松賢志,荒木良子,高山和之,安倍真澄
Radiat Res 134:364-8, 1993

要約

SCIDマウスは、放射線高感受性および免疫グロブリン遺伝子の異常な再構成という2種の表現型異常を示す。遺伝学的研究から、突然変異がマウス染色体16番上に存在することが明らかにされた。しかしながら、これらの表現型の原因遺伝子を単離する試みはまだ成功していない。放射線感受性という特質を利用して、原因遺伝子を含むヒト染色体を同定する相補実験を行った。SCIDマウス由来とヒト線維芽細胞のハイブリッド細胞から、放射線耐性細胞を分離した。この方法によってSCID表現型を相補する遺伝子がヒト8番染色体p12→q22領域に存在することが示された。

戻る