業績報告書(TR) 5-86

低エネルギー(軟)X線:線量測定と細胞生存率

星 正治,安徳重敏,Russell WJ,Miller RC,中村 典,水野正義,西尾正二

編集者注: この報告書に基づく論文は次に発表された。Int J Radiat Biol 54:577-91, 1988

要 約
SOFTEX CMBW-2型装置から発生した低エネルギー(軟)X線の線量測定を Nuclear Associates 30-330PTW型、Exradin A2型、Shonka-Wyckoff型 の電離箱と Keithley 602型エレクトロメーターを使って行った。熱蛍光線量計(BeO素子)を Harshaw2000-A型 と Picoammeter-B読取り装置 とともに使用した。アルミニウムの吸収板を用いて線質の測定を行った。また照射線量率が、X線管の電流や照射時間によってどのように変わるかを調べた。線量の分布を確定し、その非等方性を補正する係数を計算した。正確な吸収線量や照射線量をこれらの線量により求める方法を論じた。

V79細胞の致死効果を、軟X線、200kVp X線、60Coガンマ線で照射することにより調べた。0、0.2、0.7mmのアルミニウムのフィルターを使用した場合の 軟X線の60Coに対する生物学的効果比(RBE)は 1.6であった。60Coに対する 200kVp X線のRBEは 1.3であった。

この研究の結果は将来、細胞の致死効果に対するRBE研究を放影研で進める上での参考となる。

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