業績報告書(TR) 9-89

酵素免疫測定法を用いて得られた可溶性インターロイキン2レセプター測定の信頼性

秋山實利,高石雅敏,村上康文,上田龍三,山木戸道郎,坪倉篤雄

要 約
酵素免疫測定法(ELISA)を用いて各種自己免疫疾患患者の血清中のヒト可溶性インターロイキン2レセプター(IL-2R)の測定を行った。本法の感度と特性の決定のため、PHA、ツベルクリン精製蛋白誘導体、及びアロ・リンパ球で活性化した末梢血単核球の培養上清と細胞抽出液、並びに各種膠原病患者の血清について可溶性IL-2R測定を行った。その結果、他の研究室からの報告とよく一致する成績を得た。例えば、PHA刺激によって可溶性IL-2Rは最も速やかに多量産生された。また、健常者にも低値ながら可溶性IL-2Rが検出可能であったが、膠原病患者ではその血清値は有意に高かった。

原爆被爆者の血清可溶性IL-2Rについての信頼性の高いELISA測定は、研究計画書RP 2-87「成人健康調査受診者の自己免疫と自己免疫疾患についての研究」において収集されるデータの解釈の際に有用であろう。

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