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ジェイムズ・D・コックス先生を悼む

残念なニュースをお伝えせねばなりません。放射線影響研究所(放影研)の前評議員であるジェイムズ・D・コックス先生(Dr. James D. Cox)が、80歳の誕生日を迎えてわずか1か月後の、2018814日に逝去されたとの情報が入りました。葬儀も819日にすでに執り行われたとのことです。

1938年米国オハイオ州生まれのコックス先生は、ロチェスター大学で医学を修め、コロラドスプリングの病院で放射線の専門医として研鑽を積み、奨学生としてフランスにも留学されました。この間奥様となるクリスタさんに出会われ、三人のお子様に恵まれました。1973年にはウィスコンシン医科大学に移り、そこでコックス先生のお二人目の奥様になる放射線医の小牧律子先生と出会われました。1988年にはテキサス大学付属MDアンダーソンがんセンターの放射線腫瘍学の部長となり、2014年までその地位に留まられました。

コックス先生は放射線治療の分野で世界的に知られた業績を収めておられます。放影研との関係では、2011年から評議員を務められ、2016 年の任期満了をもって佐々木康人先生とご一緒に評議員を退かれました。この間、2012年に、放影研は財団法人から公益財団法人への組織面での変革があり、評議員会の指導の下に理事会が運営に当たる体制に移行しました。評議員会でのコックス先生には、これまでの長い放射線領域での経験に基づき、放影研の運営について常に冷静かつ的確なご意見を頂きました。

財団法人としての在り方が大きく変わる時期を乗り切る年月を放影研の評議員として多大な貢献を賜った先生のご冥福を、心からお祈りいたします。

 

平成30年11月7日

放射線影響研究所 理事長  丹羽 太貫

 

ジェイムズ・コックス先生
(2015年6月18日 米国ワシントンD.C.で開催された第5回評議員会にて)