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第44回 Lauriston S. Taylor賞の受賞者として ロバート・ウーリック博士が講演

放射線影響研究所(放影研)の副理事長兼業務執行理事のロバート・ウーリック博士は、 2021年4月19日、放射線防護に関する放射線科学における自身の生涯にわたる偉大な功績に対し、2021年米国放射線防護審議会(NCRP)の年次総会で第44回Lauriston S. Taylor賞を受賞しました。博士は同時に、受賞発表の一環として、Taylor賞に寄せて講演を依頼されました。受賞に合わせて講演を行うことは、NCRPより授けられる最高の栄誉となります。「宇宙の考察:放射線リスクの把握への道のり」と題したウーリック博士のTaylor講演は、第56回NCRP会議で注目の発表内容でした。

リモートで開催された講演で、ウーリック博士は、放影研が実施した広島と長崎の原爆被爆者の長期調査の結果に基づいた、宇宙飛行中の放射線被ばくに関連する長期リスクについて説明しました。博士は、最新の放影研の研究結果の概要について述べるとともに、放射線のリスクとがん発症のメカニズムを紛らわせる可能性のある、放射線誘発がんの発症に潜在的に関与する多くの事象や状態・過程の複雑さについても説明しました。また、リスクとメカニズムをさらに追究するために、放射線の影響を予測するためのモデルとして使用されたマウス研究の結果やメカニズムの調査のための細胞および分子研究についてより詳細に説明しました。NCRPの2021年次総会の全体のテーマは、「放射線と飛行:リスクの徹底的な検討」でした。

ウーリック博士は、放射線発がん研究のパイオニアとして知られています。1988年に最初にNCRPのメンバーとして選出され、2006年に特別名誉委員となり、そして放影研着任前は他のいくつかの国際研究プログラムで指導的な役割を果たしました。また、博士は、米国国立がん研究所、米国エネルギー省、NASA、NCRPなどを含む多数の科学的な米国内および国際的諮問グループのメンバーであり、米国がん学会及び米国放射線影響学会(RRS)を含むいくつかの科学団体のメンバーでもあります。

以下は栄えあるTaylor賞を受賞されたロバート・ウーリック博士です。