1986年線量推定方式(DS86)

10年以上前に、それまで原爆被爆者における放射線障害の調査に広く使われてきた T65D と、理論上計算された線量との間の食い違いに、米国の科学者たちが気付きました。そのため、実際の放射線の量を計算する上で重要な、原爆爆発に関連する様々な因子を日米合同で見直すことになりました。その結果、1986年3月に、新しい線量推定方式である1986年線量推定方式が確立されました。DS86ではいろいろな臓器の被曝線量(臓器線量 と呼ばれる)を個人の被曝情報を基にして計算することができます。これは、T65Dではできなかったことです。 原爆放射線被曝に起因する様々な影響の線量反応関係がDS86を用いて再評価されました。DS86の正確性については 更に研究 が続けられ、最終的に2002年線量推定方式(DS02)となりました。

個人被曝合計線量(単位は グレイ)はガンマ線量と中性子線量を合計したものです。ガンマ線の空気中線量(カーマ)については空気中カーマ の項の表を参照してください。

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