出前授業@中・高校生ピースクラブ

7月14日(日)、広島平和記念資料館の会議室で、「中・高校生ピースクラブ」の生徒の皆さんを対象に出前授業を行いました。「中・高校生ピースクラブ」とは、21世紀を核兵器や戦争のない平和な世紀とするために、自ら平和の推進に取り組む人材を育成することを目的として、広島平和記念資料館が運営しているプロジェクトです。年に8回の活動を行っており、第4回となる今回は、「放射線に関する学習」として放影研の出前授業を受けていただくことになりました。ピースクラブの生徒の皆さん25名とピースクラブの運営をサポートするボランティア7名、平和資料館職員2名の計34名が参加されました。

講義では、放射線の種類、放射線の健康影響等を説明した後、放射線は私たちの日常生活でも有効に使われており、適切に利用し正しく怖がることが大切、ということを伝えました。生徒の皆さんは熱心に耳を傾けてくれました。

「線量減衰実験」では、材質の異なる3種類の板(木、プラスチック、鉛)を使って遮蔽(しゃへい)した場合の放射線量について測定しました。また、放射線の線源から線量計までの距離を変えて測定した際には、線量計の目盛を生徒の皆さんに声に出して読んでもらい、放射線量が線源までの距離の二乗に比例して減少していくことを体感してもらいました。

霧箱を使用した実験は大変好評でした。これは、鉄製の箱の中に黒い紙とスポンジを貼り、エタノールを注いでラップで箱を密閉。箱の底をドライアイスで冷やすと、空気中にある放射線の軌跡(白い線)が観察できるというものです。この白い線が見えたときには、生徒の皆さんから歓声が上がりました。皆さんの好奇心にあふれた眼差しや活力に満ちた表情が印象的でした。

授業終了後、「放射線は、今まで危険なものだというイメージしかなかったが、様々なことに使われていることが分かった」「学校の授業よりも放射線のことが分かった」「霧箱を自分でも作りたいと思った」など、嬉しい感想をいただきました。

今年で3年目を迎える「出前授業プロジェクト」。これからもより多くの方々に、放射線に対する理解を深めてもらいたいと考えています。科学をもっと身近に。そのような想いを胸に、活動を継続していきます。

放射線に関する講義

霧箱実験の様子