研究担当理事室 秘書へのインタビュー

放影研メルマガでは、研究活動を裏方として支えるスタッフにも焦点を当てていきます。

記念すべき第1号で登場するのは、研究担当理事室の杉山智恵さん。

彼女は副理事長 兼 研究担当理事 Robert L. Ullrich(注1)の秘書をしています。この仕事を任されてようやく一年を迎えた彼女に、仕事内容や裏方としての苦労話など、生の声を聞いてみました。

     研究担当理事室秘書 杉山智恵さん

研究担当理事室の秘書って、どんな仕事?

Ullrich先生のスケジュール管理や会議セッティング、研究担当理事としての先生の仕事に関わる色んなことです。

今回の科学諮問委員会の準備はいつから開始? その中で一番大変だったことは?

日程が決まったのが昨年の6月ぐらいで、そこから始まった感じですかね。12月ぐらいから本格的に忙しくなりました。大変だったのは、研究担当理事の秘書の仕事が初めてで経験がなかったので、常に手探りの状態だったことです。

今までと違って今回の科学諮問委員会は、土日にかかる会議となりました。それが原因で苦労したことは? 休みの日の出勤で家族に文句を言われるとかはなかった?

小さな子供さんを抱える研究員から、「土日に子供を預けるところを探さなくてはならないから困る!」という声がありましたが、委員さんの都合で今年はそうなってしまいました。どうしても揃う日がその日しかなかったんです。私に関していえば、もう子供も大きいので特に家族から不満の声はなかったですね。カープのチケットはどうせ取れないから、休みの日に見れなくても構わないし(注2)

この仕事の面白いところ、やり甲斐のあるところは?

秘書の仕事は目に見えるものでないので、人の間に入って、仕事がエンストしないようにうまく回るようにしなければなりません。そのためにはたくさんの難しいことが出てきますが、逆に苦労した分、うまく回っているのを見届けたときにはやり甲斐を感じますね。また、今回の科学諮問委員会に関しては、委員の皆さんが人間的にも素晴らしい方ばかりで、会議終了後にたくさんの「ありがとう」という労いメールが届いたのが本当に嬉しかったです。

最後に、放影研は日米共同機関として外国人職員と働く機会が多いですが、米国人のUllrich氏と働くうえで、日米の文化の違いなどで困ったことは?

実はそこまで「困った!」というのがないんですよ。面白い答えでなくてすみません(笑)。あえて言うなら、先生が外国人なので日本語がそのまま通じるわけではないということや、他の部署から回ってきた日本語しかないメールの内容を先生に伝えるのに英訳が必要というぐらいですかね。でも先生は一生懸命に日本語を勉強して、私の言葉を理解しようしてくださっているので本当に助かります。日本の文化を積極的に学ぼうとされているのも感じますね。

杉山さん、ありがとうございました。これからも益々のご活躍をお祈りしています。

               Ullrich氏と記念撮影

(編集者より)

放影研のある男性スタッフが、雨の日に杉山さんに傘を貸したときの話をしてくれた。穴が開いた古い傘を貸したのに、杉山さんから戻ってきたら穴が消えて驚いたとのこと。早速彼女に確かめると、笑顔たっぷりの広島弁で「ああ、穴はねえ、直しといたよ」と答えてくれた。他にもある優しい気配りのエピソード。訪者からコートを預かるときにボタンが外れたのを見て、すぐに縫って付けてあげたとの話もあるとか。素晴らしい業務処理能力と英語力も併せ持つこんな彼女を秘書に持つUllrich氏が幸せであるのは間違いない。

(注1)「Ullrich」氏の名前をどのように発音するのかが難しい。放影研内でも人によって言い方が異なる。大多数は「ウーリック」と発音するが、「ウルリッヒ」や「ウルリッチ」と発音する人も。

(注2)広島東洋カープが2016年に25年ぶりの優勝を果たして以降、放影研広島研究所のある広島では、地元球場(MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島)の観戦チケット争奪戦が年々熾烈を極めている。昨年のリーグ三連覇達成を受け、今春はチケットの抽選券配布日になんと約5万人が球場に殺到した。抽選券をもらえたのはそのうち約4万人、その中で当選したのはわずか2,100人という非常に厳しい闘いとなった。杉山さんはこの厳しさを嘆いているのである。