免疫学調査

疫学プログラムでは、原爆放射線被曝が被爆者の免疫機能に変化を引き起こしたかどうかを調査することが中心となっています。免疫系は細菌や寄生虫などの異物の侵入から身体を守り、悪性細胞(がん細胞)の増殖を防ぐ働きをしています。血液幹細胞(前駆細胞)の集まりが分裂を繰り返すことによって細胞を生成し、その生成された細胞が様々な細胞から成る集団へと分化(成熟・特殊化)し、免疫系を構成します。これらの細胞集団は互いに緊密に作用・制御し合い、異物や侵入物を効果的に除去します。

免疫学プログラムの調査では、被爆者の免疫系における放射線誘発の変化や、その変化と疾病発生の関係を調べています。それに加えて、免疫学的手法を用いて血液細胞中の放射線誘発の突然変異を調べてきました。これらの手法は被曝線量の評価(いわゆる生物学的線量推定法)の手段として、また突然変異をマーカーとした血液細胞の生体内動態の解析法として有用です。

免疫学プログラムの図式は こちら

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