被爆者における初期の影響

被爆後数カ月から数年の期間

初期の影響には放射線の様々な急性症状があります。これらの症状に関する情報は主として1956年から1961年の間に10万人以上の原爆被爆者に面接して得られました。被爆者が記憶に基づいて語った放射線の急性症状の中でも、脱毛は最も信頼できる報告と見なされています。すなわち脱毛は、嘔吐、歯肉からの出血、下痢、および皮下出血などの他の症状よりも、より客観的に記憶されていた症状と考えられています。

総じて放射線の急性症状は低線量被曝では見られず、そのため閾値として知られている概念が生まれました。すなわち、ある放射線量以下では急性症状は発生しないということです。これは線形線量反応関係として知られる理論と対照的です。この線形線量反応関係は放射線被曝の後影響の中でも最もよく確立されたものの一つである悪性疾患により示されています。この概念では、放射線量が高いほど悪性疾患の発生リスクが高くなります。

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