情報技術部

情報技術部では、放影研のすべての研究者および一般職員の様々なニーズを満たすためのITインフラストラクチャ(情報サービスの提供に必要となる設備や施設)と多様なアプリケーションサービス(表計算やワープロ等利用者にサービスを提供するソフトウェアの総称)を提供することによって、研究および関連業務の効率化を促進している。具体的には、広島研究所と長崎研究所を結ぶ広域ネットワークをはじめとする所内ネットワークインフラストラクチャの整備と安全な運用に加え、各部が行っている様々な調査、実験、研究を通じて得られた多くの情報資産を適切に管理運用するためのデータベースの設計・運用とそれらを効率的に利活用するためのアプリケーション開発を行う。また、これらの情報資産に少なからず含まれる電子的機微情報(個人情報等法令で厳重な扱いが定められたコンピュータで扱うことができる情報)に対する不正アクセス、マルウェア(利用者に情報の棄損・漏えい等の損害を与えるプログラムの総称)等外部脅威からの保護にも注力している。

放影研では、1947年に設立されたABCC(Atomic Bomb Casualty Commission: 原爆傷害調査委員会)時代から引き継がれた多くの蔵書、発表論文、歴史的資料を保有している。情報技術部ではこれらの管理業務とともに、永続的なアーカイブ(記録保管)事業にも着手する。

システム技術課
システム技術課では、放影研内を網羅する情報ネットワークシステムおよび研究と業務を円滑に遂行するためのアプリケーションシステム導入のための企画立案と環境構築、さらにはそれらの運用に必要となる各種ハードウェアの保守管理業務を担っている。ハードウェアには、各種サーバ(複数の利用者に同時にサービスを提供することができるコンピュータ)およびネットワーク機器をはじめ、全所員が利用する数百台のパーソナルコンピュータが含まれている。また、所内の研究活動や業務活動を通じて得られた多様かつ多くの情報資産を効率良く利活用するために必要となるデータベースシステムの導入・構築・設計を行う。大規模なデータベース設計には高度な技術が必要となることから、多くの研究機関ではパッケージシステム(ある目的のために汎用的に開発されたプログラムの集合体)を利用することが多いが、放影研では放射線被ばくに関する研究という特異な要件を満たすために、データベースの設計と併せてアプリケーションプログラムの開発も含め、そのほとんどを内製で行っている。これらの情報機器や情報資産を外部脅威から保護し、安全に運用するためには熟慮された情報セキュリティ対策とその施行が必要となるため、同課では情報セキュリティ対応のためのCSIRT (Computer Security Incident Response Team) 活動にも力を注いでいる。

図書資料課
図書資料課では、放影研の前身であるABCC時代から保有する放射線医学関連の蔵書管理に加え、放影研の学術情報(研究計画書、論文、学会発表資料等)およびABCCから引き継がれた歴史的資料の管理に関する業務を担当する。また、同課では、放射線医学・生物学を専門とする放影研図書館の運営と併せて、所内外からの保有する学術情報や資料への問合せや、文献複写等を通じた資料の提供業務を行う。

研究員

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