研究計画書 1-21

原爆被爆者における放射線被曝と脳卒中発生率の関係についての検討

要約

脳卒中は全世界の死亡および ADL 低下の主要な原因である。脳および頭頚部へ高線量の放射線治療を受けた患者では脳卒中が増加することはよく知られているが, より低い線量の放射線被曝により脳卒中が増加するという十分なエビデンスはない。原爆被爆者における 過去の研究の結果からは, 脳卒中のサブタイプ別に異なる放射線影響があることが示唆されている。しかし, これらの知見には診断の正確性やサブタイプ分類に関してあいまいな点が残っている。本研究では, 放影研で定期的な健診を受けている原爆被爆者のコホートにおいて, 事前に定めた診断基準に従ってチャートレビューを行うことにより診断とサブタイプ分類の正確性を担保し, チャートレビューによって確定された診断に基づいて, 放射線被ばくと脳卒中およびそのサブタイプ(脳梗塞, 脳出血, クモ膜下出血)との関連を解析する。

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