研究計画書 1-23-2

プロジェクト2:原爆被爆者における、クローン造血、炎症、動脈硬化指標の変化と放射線との関連の評価

要約

過去の研究から, 原爆被爆者において被爆後長期間経過したのちにも炎症性マーカー が上昇していることが, また最近の研究では動脈硬化指標も上昇していることが示さ れている。しかしその機序はわかっていない。我々は被ばくによって引き起こされるク ローン造血(CH)とT細胞の老化(TCA)がその後の慢性炎症と動脈硬化リスクの上昇に関 与しているとの仮説を立てた。この仮説を評価するため, この研究ではすでに成人健康 調査(AHS)で集められた, CH などの特定の系列に偏った造血, T 細胞性免疫, 炎症, 動脈 硬化に関連するデータを用いて, CH, TCA, 炎症, 動脈硬化の間の関連を解析する。統 計解析は, すでに動脈硬化の研究(RP7-09)で用いられた構造方程式モデルに, CHとTCA の指標などの新たなマーカーを組み入れる形で行う。

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